2012/11/01

鈴森康一“ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか”


ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか (amazon)

機械系(?)のロボティクスの研究者による,ロボットの機構や構造に関する考察.いろいろな語り口のあるロボットを,機構,構造という観点から,生物との類似性について語られております.取り上げられているロボットのタイプも,わりと古いものから,ヒューマノイドや二関節筋機構などなど,また,素材の違いによるロボットと生き物の差異(なんで車輪型の機構を持つ生物はいないのか,など)も説明されていて,なかなか面白いです.

とはいえ,(ある意味)生物に似てしまったロボット(機構)ばかりが選ばれているようで,例えばAIBOの関節なんかはたしか生物学的にはありえない構造をしていたという話を聞いたこともあるし,SCARAタイプや,スチュワートプラットフォームみたいに生物に似ていない機構も広く使われているわけですが,そのへんはスルーされております...

バイオメカニクスはわりとホットな話題なので,入門書的な意味でいい本だと思います.